2008年10月26日日曜日

労働者に投資をするということ

現在、日本では貧困・格差問題が非常に声高に議論されています。
しかし、現状景気対策などに追われ福祉やこういった問題に関しては未だ手付かずといったところではないでしょうか。
そんな中、イギリスの就業支援制度には日本にはない面白い発想があります。

イギリスには「トランポリン型福祉」という雇用戦略が一般的で、オランダやデンマークなどの手厚い就業保障「フレキシキュリティ」と並んで非常に性能の良い制度として各国から注目されています。

どのようなものかというと、まず失業者に対して失業給付を与えています。
その代わりその失業給付を受けている間は職業訓練とセンターの支援を受けて休職活動をするようになっています。

こういった職業訓練と失業給付のセットでの戦略はヨーロッパでは一般的なものとなってきているようです。
日本にも生活保護という制度はありますが、生活保護の認定規定が高すぎるためなかなか受けれるものではありません。
●以下の条件に当てはまる人は生活保護を受けることが出来ない
・世帯主が失業していても、働く能力があるとみなされれば却下
・最低生活費の半月分に相当する資産を持っていては駄目
・家族や親族に生活力がある場合は基本的に駄目

まさに日本の生活保障はかぞっくなどのセーフティーネット基盤が無ければ、再スタートすることすら出来ない非常に厳しい状況なのです。
その点欧州が打ち出す上記の制度は、まさに労働者への投資といえるのではないでしょうか?

むやみに給付金などを与えることはただのばら撒きであるという考えもありますが、こういった政策は単なる支出ではなく失業者が労働市場に戻るための投資!いつかお国の為に立ち直ったその体で返してもらおうではないかという非常に前向きな政策だと思います。


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